緑のカプセル

避妊の歴史を振り返る

現代では望まない妊娠を高確率で避ける方法はいくつかありますが、コンドームやピルがなかった時代の人々はどうやって避妊をしていたのでしょうか?その歴史を振り返ってみましょう。

世界的にみると紀元前3000年というはるか昔のエジプトで、ヤギや豚の盲腸を使った避妊があったと言い伝えられています。
昔はそもそも妊娠を避けるという意識が低かったため、西暦に入ってからも技術はほとんど発展しませんでした。

日本においてある程度確かなことが確認されているのは江戸時代です。
この頃は性に開放的な時代で男性は避妊に対して無頓着でしたが、遊女のように多数の男性と関係を持つ女性もいたので、仕事を続けていくためにも使えそうなものを使って避妊をしていました。

まず男性が使う避妊具としてあったのが水牛の角やべっ甲です。
これらを加工して男性器に被せて行為をしていました。
当然実用性がなく、遊び道具のように面白半分で使っていました。
魚の浮袋を使ったコンドームもあったようですが、こちらも耐久性の問題で広く普及するようなものではありませんでした。

遊女が実際によく使っていたのが和紙です。
行為の前に薄くて柔らかい和紙に唾をつけて丸め、膣の奥に押し込めます。
笑ってしまうような方法ですが、物理的には理にかなっているため一応の避妊にはなっていたようです。
ピル代わりになっていたのは「朔日丸(ついたちがん)」です。
毎月の一日に飲むことで妊娠を避けられるという非科学的なもので効果のほどは不明です。
他にも出された精液を水で洗い流せばいいという単純な発想も浸透していました。

時を経て明治時代になると国内でコンドームの原型が誕生し、現実的な避妊が可能になりました。
それでも性能としては不十分で、結局のところ避妊が完全に近いものになったのは医学や現代のコンドームメーカーが発展したここ数十年です。

ちなみに近未来は体内にチップを埋め込んで避妊ができるようになるといわれています。
遠隔操作で自由に避妊のスイッチを切り替えられるようですが果たして本当でしょうか?

体にチップを埋め込んで避妊する時代が来る

避妊をしようとする工夫の歴史からは、すでに江戸時代以前から妊娠のメカニズムはわかっており、それを防ぐために試行錯誤してきたというのが見てとれます。
過去においての避妊はさまざまでしたが、未来においてはどうなのでしょうか。
実は、体内にチップを埋め込んでの避妊というのはそれほどSFのように夢物語ではなくかなり現実に近づいたやり方になっています。

コンドームなどは物理的に精液が女性の体内に入りこむのを防ぐことで避妊効果を発揮しますが、女性側が服用する低用量ピルなどは妊娠が起こらないようにホルモンのバランスを操作し調整するやり方です。
体内のチップは後者と同じ原理で働き、埋め込まれたチップから体内に少しずつホルモン剤を供給して妊娠を防ぐ効果があります。
もし妊娠を希望する場合には、体外から遠隔操作でホルモンの供給をストップすれば妊娠可能なホルモンバランスになるという仕組みです。

某財団の研究でこのチップはすでに開発されており、まだ製品化や安全面での基準など多くのハードルを残すものの実用化はそう遠い将来ではないと考えられています。
現在チップからは最大で16年間ぶんのホルモンを供給することが可能なため、何度も埋め込み・取り出しをする必要はありません。
欧米ではこういった避妊以外でも、腕や脚に薬剤を入れた容器を埋め込み体内に少しずつ放出するという手法が一般的にとられており抵抗なく受け入れられるものと思われます。

日本ではまだ体内に異物を埋め込むことへの抵抗が大きいでしょうが、いずれペースメーカーをはじめとした人工の臓器やその補助器が発達していくにつれ、ごく普通のこととして受け入れられるようになるのではないでしょうか。

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